SAPAKAMAやKAPPOGI、様々な暮らしの道具をつくるen・nichiが生まれた東北地方は、ものを大切に長く使い続ける文化があります。むかしの東北は、寒冷で飢餓も続く貧しい土地でした。綿花が育たたない土地だったため、貴重な木綿生地を大切に大切に扱ってきました。ふるくなり破れたり穴が空いたものは、当て布をして刺し子を施して使う。繕い直して使い続ける。衣服と長く向き合い続ける当たり前の暮らしが身近にありました。
私たちが作り続ける道具には、使い手と素敵な時間を重ねて、ともによくなる暮らしを育んでほしいという思いを込めています。お客さまとこれから長い時間、暮らしを作る道具だからこそ、生地や染料にもこだわりを持って、職人たちの技術で、一つ一つを丁寧に作り上げます。
en・nichiからお届けした道具たちが破れたり穴が空いてしまったら、お直しをする。穴が開く場所も、破れる場所も人それぞれ違うからこそ、ひとつとして同じものにはなりません。お直しもそれぞれ。そうしていくうちにen・nichiの道具はあなただけのとっておきに寄り添っていきます。おじいちゃんのたくましく生きた証の傷痕や、おばあちゃんの深く刻まれた笑いじわが、人の魅力を物語るように、暮らしに寄り添う衣服もそうでありたい。ものを大切に使い続ける文化が残る東北で生まれ、東北でものづくりをしているからこそのこだわりです。
現代社会は次々にたくさんのものを手に入れて、同じ数だけ捨ててしまう。当たり前のような光景ですが、それらは本当に捨てる必要があったものでしょうか?
新しいものには、煌びやかな魅力や価値があります。しかし愛着を持って長く使い続けたものには、店頭では買えない大きな魅力があります。
先人たちが残してくれた文化は、現代のわたしたちが身近にあったのに忘れていた「ものへの愛着」を思い出させてくれます。
それはエコだからという理由ではなく、自然とともに生きて、地域に根付いた暮らしの術。
地域と、お客様と一緒に作るものづくりだからこそ、en・nichiの道具にはたくさんのこだわりが詰まっています。